「生活と美術展 暮らしの中の坂本善三」


3月5日(木)から5月31日(日)まで、「生活と美術展 暮らしの中の坂本善三」を開催しています。

いつもと大きく違うのは、畳敷きの展示室にテーブルや椅子、本棚などを持ち込んで、善三の作品とともに展示していることです。

椅子や照明など多くは「熊本県伝統工芸館」にご協力頂いています。一部、当館で使用している椅子・テーブルもあります。

「熊本県伝統工芸館」の椅子も、当館の椅子も、自由に座ってお楽しみください。

善三の遺品の椅子だけは、眺めるだけでお願いします。

別室では、伝統工芸館の小物や器など、お買い求めいただけます。

肥後玩具です。 
この機会にぜひお越しください。
以下、展示目録より
「好みの服を着たり、好きな茶碗で食事をしたり、生活の中に美意識が生きている場面は多数あります。壁を好きな絵で飾るのもその一つでしょう。坂本善三の作品も、多くの家庭でその生活の一場面を彩ってきました。そんな元個人蔵の作品が当館にも多数収蔵されています。
それらの作品が、さまざまな暮らしの中でどのように愛でられてきたのか、美術館の中で再現してみようというのが本展の試みです。本展では、熊本県伝統工芸館収蔵品によるさまざまな工芸品と、坂本善三が使っていた道具や手がけた工芸作品によって暮らしの様子を再現し、その中で坂本善三の作品を味わってみようと思います。
家庭の中で作品は、美術館のような作品を鑑賞するためだけの部屋ではなく、日常の道具が置かれている中に存在しています。生活の中での絵画は、じっくりと眺める鑑賞の対象というよりは、日々の営みのかたわらで人々に静かに寄り添い、その日の出来事や気分によってさまざまな表情を見せていることでしょう。目にも留まらないこともあるかもしれないし、毎日暖かく語りかけてくれるかもしれない。あるいはふとした拍子に、日常が一変するような啓示を与えてくれることがあるかもしれません。
もしかしたら、そういうなんでもない毎日の中で私たちの心の礎を作り続けることこそが、美術の持つ本当の力なのではないでしょうか。
本当に好きなものに囲まれて暮らす豊かさを感じると共に、美術館で見るのとは違う、生きた美術の姿を垣間見ることができればと思います。
どうぞおうちでリラックスしているときのような気分で、この空間をお楽しみください。」

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