30日め最終日「後ろ髪ひかれない」

若木くるみの制作道場2014、無事終わりました。
応援ありがとうございました。


詳しくは、また後日…
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後日です。
あらためて、最終日のご報告をします。
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朝、開館準備です。

「あ~、これで作りものも、最後かあ~」造形チーフのつぶやき。

看板に「最終日」の赤い文字を書き込む学芸員山下。
本日の作品タイトル「後ろ髪ひかれない」。

最後の一日の展示のために、展示物をよりよく見せるよう、くるみちゃんのお友達・武内明子さん(画家)が工夫してくれています。
こんなふうに、ふきだしつけてくれたりして。武内さんありがとう。

さて、本日の作品の準備です。
幅広ガムテープ。使ったのは、右側のドデカガムテ。

つるしカツラ。
「後ろ髪ひかれない」の重要アイテムです。

カツラです。カツラの一部分。

じゃあ、はじめますか。
「後ろ髪ひかれない」。
昨年からこの制作道場が気になっていたという方から、スタートです。
前日から町内でワンワン放送されている「いよいよ若木くるみの制作道場が最終日となりました…」を聞いて、お越しくださったそうです。
このお兄さんとくるみちゃんの一連のやりとりを例に、この日の企画内容をご説明します。

まずは、向かい合って、お互いの顔を描きあいます。
くるみちゃんは、お客さんの顔を自分の後ろ頭に。

お客さんは、くるみちゃんの顔を手元のガムテープに。

「なんだ、なんだ」
スタッフや居合わせたお客さんが見守ります。

「できました」
お兄さんから見た、くるみちゃんの顔。

くるみちゃんが描いたおにいさんの顔が、くるみちゃんの後頭部に。

この日は、また一段と刈り上げが高い位置からはじまってます。さすがのくるみちゃんも、この剃りっぷりに「かわいくないよね…」と一瞬言葉を飲んでいました。お友達の武内さんの容赦のなさによるものですが、でもこれはくるみちゃんの首の肌を守るため。そのことは、読み進めるとご理解いただけると思います。
「じゃあ、お兄さんが描いた私の顔を、私が描いた顔に重なるように貼って下さーい。しっかり押さえて」

お兄さん、この時点では何がなんだかわかってなかったはず。
ぶら下がってる髪の毛と、貼ったガムテープのはしっこを一緒に持ってもらいます。
「いいですか? 離さないでくださいね。いきますよー!」

「お兄さんなんかに、後ろ髪、ひかれ、なーーーーいっっっ!!」
ベリッ!!

このシーン、違う角度から見ると、こうです。

「~~~~」
お兄さん、腰から崩れました。

全力疾走!

「どうですかー?ちゃんと、残ってます?見せて!」

「ほら、ここに、私が描いたお兄さんの顔もついてるでしょう?」
「ハァ~??」

※すみません、別の方の写真ですが、こういう風になっています。
くるみちゃんが後頭部に描いた顔が、ガムテープの接着面に転写されているのです。

「やったー、成功!」
「そういうことっすか…」

「はあぁ~~…」

じゃあ、おねえさんもやりましょうか!

くるみちゃんが描いた、おねえさんの顔。
しばらくして、合わせ鏡で確認しながら描き始めたのですが、この時はまだ、くるみちゃんは何も見ないで手の感覚とカンだけで描いていました。なので、こういう顔になってます。

※お客さんに、くるみちゃんの顔を描いてもらったガムテープをくるみちゃんの後頭部に貼ってもらい、このお客さんの顔を転写するのですが、描く顔が首のところにくると、首にガムテを貼ることになり、はがした時、首に受ける皮膚のダメージが大きいのです。頭皮部分なら、ごく短いながら髪の毛もあり密着が薄まるせいか、赤く腫れることもなく、本人も首に比べたら痛みが少ないようでした。…というわけで、大胆に上の方まで剃りあげているのです。
おねえさんが描いてくれた、くるみちゃんの顔。

くるみちゃんの後頭部にペタリ。

その上に、カツラの?後ろ髪?を重ねて、ガムテープと一緒にしっかり持って…

「いいですか?」
「はいっ!」
「いきますよ!」
「はい…」

「おねえさんにも、後ろ髪、ひかれ…
な――――いっっ!!!」

「あっ!」

「あ~、すみません~…テープがはげなかった~」

再チャレンジ!
ベリッ!

「どうですか! あ、いいですねー!おねえさんの顔も、しっかり写ってます!」

じゃあ、次の人!

「後ろ髪、ひかれ、なーーーーいっっっ!!」
ベリッ!!

また、次!

「ああっ!」
(ガムテープがはがれず、後頭部に残ってしまいました)

「ごめんね」
「いいえ~、いいですか、今度こそしっかり離さないでくださいね」

「後ろ髪、ひかれ、なーーーいっ!」
ベリッ!!

「できた!」

くるみちゃんのお友達でアーティストの、アートホーリーメンさん来場。
さすが、くるみちゃんの顔も独特のタッチ。

「いきますよー、しっかり持って下さいよー」
「え、なんかこわいな~」
「だめです!何があっても離さないつもりで!!」
「何があってもって…」

「アートホーリーメンさんなんかに、後ろ髪、ひかれ、なああーーーーいっっっ!!!」

案の定、一回目は失敗してはがし損なって、2回目で成功しました。

「結構写ってるね」

そこへ…
「くるみちゃーーん!ちょっと来てごらーーん!!」

「なになに?
…うわーーー!!すごい!!」
ずっと温かい目で見守っててくれた近所のおばちゃんが、大量の差し入れを持ってきてくださいました。
「今日が最後の日だっていうから、ちょちょっと作ったとよ。味はどうかわからんよ」

     ラップの下には、こんなでした!
     炊き込みご飯のおにぎり、野菜や油揚げのお煮しめ。
     すっごくおいしかったです。
     ありがとうございました。ごちそうさまでした!
     
(この写真は武内明子さん撮影)
     にぎやかに頂きました。
     
「ぜひ、『後ろ髪ひかれない』、やっていってください!」
「ええー、私は絵は描けんから…」
「いいからいいから!」
…と、強引に座ってもらって、はじめました。

「いや~、描けんよ~」

「描いた?じゃあ、こっちこっち。来てください」
「ええ~?」

「いいですか、私が前に走りますから、ガムテープを離さないで持っててください。痛そうとか、かわいそうとか、思わなくていいですから!」

「おばちゃんにも、後ろ髪、ひかれ、なああーーーーいっっっ!!」
ベリッ!!!
成功!

「まあ~、こんなこと、よう考えたねえ~」

…と、そんなことをやってると、
「こんにちはー」
「あー、ピースちゃん!」

地元FM局のおねえさんが、ラジオの取材に来てくれました。
実はこのおねえさんが提案してくれた企画(ラブ&ピース的なものでした)をきっかけに、8月22日の「LOVA & PIECH(ロバ&ピーチ)展」が生まれたのです。
ピースちゃん、ラジオの生中継の前に、やってみることにしました。

お互いの顔。

「ピースちゃんにも、後ろ髪、ひかれなあーーーーーいっ!!」
「わーーーー!」


「くるみちゃーーーん!!」

「どう、どう??」
「いいと思うよー、すごーい、くるみちゃん!」

生放送まであと8分くらい!
もう一人いけるね!…と、次のおねえさん。

ベリッ!!

「ヒャ~」

その後、ラジオの生放送。FMおぐにという、地元のFM局の番組です。

さきほどのおねえさんにも、やってみた感想をインタビュー。

美術館スタッフも質問を受けました。
ピースちゃん、ありがとうございました。

こちらも、取材も取材以外の日も、ちょっとしか時間がなくても何度も通ってくださった、地元県紙の記者さん。

くるみちゃんの顔。

「Mさんなんかに、後ろ髪、ひかれ、なーーーーーいっ!」

Mさん、いつもありがとうございました。

その後も、続々と

くるみちゃんの後ろ髪はひかれることなく

いろんなお客さんを


振り切って、走りつづけました。



お友達・げんちゃんにも

後ろ髪ひかれず。

美術館スタッフにも

後ろ髪ひかれず。

こちらのお客さまにも

後ろ髪ひかれず。(すごいそっくり…)

お子さん3人と、おかあさん。

「いきますよー」

「ひかれなーーーーいっ!!」

ギャラリーも多くなってきました。

赤ちゃん連れでも

後ろ髪ひかれず。

どんどんいきます。
次は小国在住のアーティスト・レインボー岡山さん。



最終日は、お客さんも多く、たくさんの方がくるみちゃんの後ろ髪をひきました。
まだまだ終わりは見えませんが、今日のところはここまで。
また、続きます。
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1か月、続きを書かないままにしていました。
とりあえず、写真だけでも


















 

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