5日め「うらの顔」(小国中ワークショップ1)

8月2日は、地元の中学生ワークショップの日です。
毎年、中学1年生が夏休みに美術館を訪れて鑑賞教室を行っています。昨年と今年は2時間のうち1時間を絵画鑑賞、1時間をくるみちゃんワークショップで構成しています。

ワークショップは6回に分けて日にちを設定していて、中学生が都合の合う日を選んで、やって来ます。中学生のワークショップは午前中。午後は、一般のお客様もワークショップと同じことを体験して頂きます。

何をするかというと…。「後ろ頭に顔を描く」、です。これは、くるみちゃんの代表作と重なるものです。
くるみちゃんは後ろ頭を剃って、つるつるにして顔を描きますが、さすがに中学生やお客様の後ろ頭を剃るわけにもいかないので、紙でお面を作って、そこに描きます。



ホントはもっと本格的に描けます。中学生への説明のため、簡単に描いてます。
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最初はすごく遠巻きに見ていましたが、だんだん近づいてきてくれました。

「はじめは、描いてるお面は見ないまま、手と、後ろ頭の感覚だけで描きます!」だから、ペンやペンを持つ手を後ろ頭から不用意に離してしまうと、描いた配置を見失うから、手を置いたまま一気に描くのがいい、とアドバイス。
お手本を見せたら、「じゃあ、早速やってみよう!」と、目の合った男の子を指名して、スタート!


どうかな?

「おー、いいんじゃない?よく描けてるよ!」
「じゃあ、次の人~」

「どうかな?」

アハハ、フフフ
「福笑いみたい~」

「じゃあ、次は、いま描いたお面のうらに、また描きます。今度は、合わせ鏡で描いてる顔を見ながら、描きます」

「まずは鏡で、自分の後ろ頭が見える位置を見つけて。ちょっと横を向いたり、いろんな角度を試してみて」

「私、もう慣れてるから、さっと描けるんだ~。ほら、こんな感じで、みんなもやってみて」

凛としたたたずまいが、美しい女の子。

絵も、しっかりと描けています。

三人いっぺんに。

鏡を見ながら描くのも、なかなか難しい…。

「緑色で描いてる子、いいね!」
「え!オレ!?」

「いいよ、いいよ!」
「なんか、似てるね!」


「みんな、やってみてどうでしたか?」
「結構むずかしいよね。真っ白いキャンバスに最初のひと筆を置くと、次に進まないと完成できないから、どんどん描いていけるんだけど、考えるだけで最初の一歩をためらっていたら、何もできません。
私も、美術のことを仕事にしてるんだけど、制作が苦手で、締め切りが近づいてから泣きながらやったりします。まずなんでもいいから一歩を出すことが大事です。他のことも、ゼロから1にするのが難しいけど、それをやってしまえば進むしかないんです」
完璧じゃなくていいんだ、アクションを起こそう、やってみよう、ということを
くるみちゃんが語ってくれました。

伝わったかな?
中学生ワークショップ、初回終了です。
そして、午後は一般のお客様も、声をかけてワークショップ。



ご本人に激似。


「にてなーい」
自分で描いたのを見て、がっかり?


先日、親子の教室で講師を務めてくださった藤原雅哉先生も、くるみちゃんの制作道場に来場!


親子&くるみちゃん、三人で。

お一人でご来場のステキな女性の方も。

みなさん、ありがとうございました。
「やってみて、どうでした?」と尋ねると、多くの方が「なんだか、不思議な感覚で…」と同じことをおっしゃっていたのが印象的でした。鏡で反転した世界を覗き見ながら、自分の後ろに手をひっくり返して描くのだから、いくつもいくつも裏と表を返して返して、わけがわからなくなるのかも??
ワークショップの日は、あと5回あります。不思議な感覚を味わいに、いらっしゃいませんか?
「うらの顔」8月2日のくるみちゃん本人の反省日記
 

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