心に浮かんでくるもの

「坂本善三の形 ○と△と□といろいろ」が開催中です。
この展覧会の展示目録をぜひ読んで頂きたく、一部ですが抜粋して掲載します。

「絵を見るときに、『この絵は何を意味しているのですか』と聞かれることがよくあります。
しかし、夕日が何かを訴えないように、野の花が何かメッセージを発しているのではないように、絵画は絵画として存在しています。夕日や野の花に何かの意味を見出すのは、それを見ている私たち。絵から何かを感じ取るのも、鑑賞している私たちなのです。

画家が全精力を込めて作り上げた作品を前にしたときに、私たちの心に何が浮かぶか。その自分の心の声に耳を澄ますことが、鑑賞においてもっとも大事なことだと思います。
たとえば描かれた丸を見てあなたの心はどう動くか。その丸はコンパスで描いた丸なのか、ゆがんだ丸なのか、塗りつぶされた丸なのか、太い丸なのか、すばやい丸なのか、一つなのか、たくさんなのか。
作品に表された形は、それだけでさまざまなことを連想させるはずです。
抽象作品に描かれた形を通して、みなさんそれぞれの心に浮かぶイメージをお楽しみください。」

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展示目録の文章は、当館学芸員の手によるものです。
(このブログを書いているのは、別のスタッフです)
「抽象画は、よくわからん」とおっしゃるお客様も多いのです。
その時に、抽象画も別に美術に詳しくなくても味わえるものだということを、なんとかお伝えしたいと悶々としていましたが、それがすっきりと言葉にまとめられていて、答えが出た!という思いです。
ぜひ、善三の作品と向き合って、心に浮かんでくるものを味わってみてください。
 

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