鑑賞教室 子どもたちの感想
先日行われた小国小学校6年生の鑑賞体験教室の中から、
子どもたちの感想をいくつかご紹介します。
まずは「光」(坂本善三 リトグラフィ 1984年)
ある女の子の感想。
「暗闇の中から光がさしてきて、家族や友達に支えられているような気持ちになった」
時々、「希望」という言葉が一番近いような感情が沸き起こる作品に出会います。この女の子は、この作品から自分自身の肯定感を感じたんじゃないかと思います。
ある男の子の感想。
「鮮やかな・・・、うーん・・・いや、ほわっとした青い光がとてもきれいだと思った」
この青はすごくよく目立つから鮮やか・・・・。
ん?
でも、この青は目を射るような青ではない。
うーん・・・。
よく見ると透明な青が何層にも重なっている。
どうもこの色は硬いものではない。
むしろやわらかそうだ。
そうだ、ほわっとしている。
この感想を述べた男の子は、こんな風に考えたのではないかと想像します。
この目をひきつける青い色を「鮮やか」と言ってしまうのは簡単です。
そこにぐっと踏みとどまってよく見ると、作家がそこにこそこだわって、すべてをそこにこめた色彩と質感があります。
そしてそれが私たちの心に様々な思いを引き起こすのです。
子どもたちの鑑賞の力は、毎回すばらしい。
その子が作品の何を見てその感想を述べたのか。
子どもの言葉が伝えたがっていることをきちんとすくい取り、それが作品の本質とどうつながっているか結びつけて返してあげること。
こちらの力が試される教室でもあります。