蓬莱小学校鑑賞教室
善三美術館の鑑賞教室は、鑑賞・体験教室であるところがミソです。鑑賞した作品に関連のある制作を自分たちでも体験することによって、より美術を身近に感じてもらおうという意図です。
今回の鑑賞教室では、「坂本善三とヨーロッパの版画展」を鑑賞して、たくさんの版画作品を鑑賞しますので、自分たちでも版画の作品を制作します。版画と言っても「モノタイプ」(一点刷りの版画、一回だけの版画)です。各校グループに分かれて、協力し合って大作に取り組んでもらいました。
使う道具は、絵の具と下敷き。まず下敷きに絵の具で絵を描き、それを紙にぺたりと押し付けて絵を刷りとります。そうすると、直接描いたのではえられない、絵の具のかすれやずれなどが現れて、版画ならではの表現ができます。
蓬莱小学校の二つのグループは、「うちらの夏」「鍋ヶ滝」というテーマで取り組み、楽しい夏の風物を所狭しと描いたもの、蓬莱小学校の校区にあって近年すっかり有名になった滝を描いたものができました。
特に鍋ヶ滝の作品は、画面いっぱいに滝の落水が描かれ、重なり合った水の流れの表現も迫力満点。さすが身近なテーマを描くとリアリティが違うなと思った力作でした。