9日め「小国中ワークショップ3」

若木くるみの制作道場2014、9日めは「小国中ワークショップ うらの顔」3回めです。
前回、2回めに課題を発見し、反省して対策を立てて臨んだ今回。実は、全6回あるワークショップの中で、一番の難所なのではないかと踏んでいたのが、この日の回でした。

まずは人数が一番多いっていうこと。他の日は5人6人、8人とかだったりするのですが、今回16人。うち女子14人。
そして、昨年のトラウマ。昨年の制作道場でも、同じように中学一年生のワークショップを行いました。そして、女子の多い回でいまひとつ調子が出なかったのです。女子の中でも中心グループのメンバーなのかな?というタイプの女子に、気後れしたというのか、萎縮したというのか…。
そんなわけで、開始前から、大丈夫なのかな~と内心気をもんでいました。

はじめは、みんなくるみちゃんの後ろ頭を間近に見て、ぽか~んとしてました。

まずは、鏡で自分の顔をじっくり見ながら、顔の輪郭に切った画用紙に自画像を描いていきます。

「よーく鏡を見てね、自分の顔は何度も見てよく知ってると思うけど、初めて見るものだと思って、形をよーく見て!」
「形のとおり、見える線のとおりに描いてみて」
「よーく、よーく、見て!」


しつこくしつこく、よく見て、と繰り返してました。
はじめぽか~んとしていたみんな、黙って下を向いて自分の顔を黙々と描きました。どうなるかな…と写真を撮りながら見守っていると…。
くるみちゃんが鏡に向き合って、剃り上げた後ろ頭に後ろ手で自ら顔を描き始めると…


ぐいぐい

ぐいぐい、と音がするんじゃないかと思うくらい、みんなどんどん引き込まれていきました。
さっき描いた自画像の裏、ゴムで通しておでこにひっかけて後ろ頭に装着します。今度は、くるみちゃんみたいに、後ろ頭(画用紙のお面)に後ろ手で描きます。

もうみんな、カメラなんて目に入らない様子で、一生懸命自分の前の顔と、後ろの顔に向き合ってます。




みんな、いきいきして、一生懸命で、ホントにかわいかった!




描いてる後ろで見てるみんなも、集中して、よくみんなのペンの動きを見ています。

「わあー、こんなの!」
出来上がりに歓声があがります。
四人ずつ、四組やって、16人が終わりました。くるみちゃんは急かすような雰囲気もなく、上手に導いて、テンポよく進めることができました。みんな、他の人が描く様子をよく見ていたので、後半の組はサッと取り組むことができて、かかる時間も少なくなっていったようでした。

くるみちゃんは、みんなが描いてる間、ことあるごとに「いいよ!すっごくいい!」「いまの線、いいね!」「よく見てるね!」と褒めちぎってました。
そして、「失敗をこわがらないでいいんだよ」「失敗した、と思っても、その失敗の線をいかせばいいんだよ」と何度も声をかけてました。

「みんな、後ろの顔を描いてみてどうでしたか? みんなの後ろの顔、とってもいいよ! 一生懸命描いてるなーって、すごく伝わってきました」と、まとめます。

みんなも、最後の最後まで、すごく集中してくるみちゃんから目を離しませんでした。
今回、大成功だったのではないでしょうか。
8月7日のくるみちゃん本人の反省日記
若木くるみの制作道場のサイト(反省日記とツイッター入口があります)
昨年2013年の、制作道場サイト

美術館の更新情報を受け取る

最新情報

前の記事

8日め「影」