美術教室始まりました
今年度の美術教室が始まりました。
初回の5月23日(土)は、美術教室ファミリーコース。
このコースは小学生以下の子どもと保護者が対象で、5月から10月まで月に一度で計6回、いろんなテーマでアートにふれあう体験をします。今年は13組36人が参加です。
今回は、アーティストの今田淳子さんを迎えて「アートをたのしもう」。
今田さんの自己紹介のあと、今田さんの楽しげなテンションにわくわくさせられているうちに、太鼓と、メトロノームが置かれました。
カッチンカッチン、紙とえんぴつが配られて、「メトロノームがきざむリズムを感じながら、描いてみよう!」
カッチンカッチン、描いてる間も、今田さんがおしゃべりしながらいろんなことを教えてくれます。
「このはやさは、〝プレスティッシモ〟って言います。〝プレスティッシモ〟、ちょっとはやいよね。イタリア語です。イタリアのお母さんたちは、よく子どもに『プレスト!プレスト!』って言いますよ。『いそいで!、はやく!』っていう意味です」
「どんどん手を動かして~、これはエクササイズです!」
考えなくていい、感じたまま、動かしたいように手を動かしてごらん、とみんなに語りかけて、見本をみせてくれました。
「まねしていいんだよー、まねしてやってみるって、だいじよ」
カッチンカッチン。
「次はちょっとゆっくりしてみよう」
カッ、チン、カッ、チン。
これはね、〝アンダンテ〟です。ピアノ習ってる人は知ってるかな。〝あるくはやさで〟っていう意味です。紙のはしっこに書いといて。“アンダンテ”ですよ。これもイタリア語です。音楽のことばは、どれもイタリア語なんですね」
ちょっと難しい言葉も、かみくだいて丁寧に、何度も声に出して教えてくれます。子どもだけど、伝えれば伝わるんだと信じてる感じがして、とてもいいなと思います。
カッ、チン、カッ、チン。
トコトコトコトコ、太鼓が始まりました。
「やってみたい人ー、たたいていいよ!」
「またいで乗ってたたいてごらん、体にひびいておもしろいよ」
「ほら、どう?」
「キャハ――」
みんな感じるままに自由に描きます。
「次は、紙を持ってグッシャグシャにもんでみてください。どんどんもんで~。だんだんやわらかくなってくるでしょ?」
「ほんとー、やわらかくなった。ひらぺったい紙はかたいのに、ふしぎ~」
「こうすると、紙に〝表情〟が出るよね。つるっとした時より、なんだかあったかい感じがしませんか?」と今田さん。
グシャグシャの紙に線を描いたり、エンピツで穴を開けてみたり。
「紙に穴を開けただけの作品を作ったアーティストもいるんですよ。〝ルーチョ・フォンターナ〟っていいます。穴が開いてるだけなんだけどね、高いんだよ~。“ルーチョ・フォンターナ”よ」
「もんだ紙にちょっと水をつけてみたら、もっとやわらかくなるよ。普通のコピー用紙なんだけど、高級ティッシュペーパーみたいになるよね」
「やわらかくなってるでしょ?」
「新聞紙とか、紙とか、ひと晩水につけてふやかして、そのあとノリをまぜたら紙ねんどになりますよ。お休みの日にしてみたら、楽しいよ」
紙ねんどになるの?やってみたい!と子どもの目がキラキラです。
「ふやけた紙に色を落としてみて。じわーってにじんで広がるよ」
「わあーーほんと、いろがまじった~」
「それを形にして、ほっといたらその形に固まるから、なにか作ってみても楽しいよ」
「絵の具の色水をたっぷりのせて、紙を持ち上げてみたらどうなるかな?絵の具が流れて、おもしろい線ができるね」
「あー、花火みたいになった!すごい~」
「ふうせんみたい!」
「じゃあ、次は、どこにどれくらいのものを描くか考えて描いてみようか」
習字を例えにしてわかりやすい言葉で、“日本には余白にも意味がある”ということを伝えてくれてたのですが、すみません。どういう言い回しで伝えてくれてたのか、メモしそこねてそのまま再現できません。「海外では、描いてないところには何もないと受け止とめられる、ゼロなのだ」ということも合わせて教えてくれました。
「こな絵の具も、水にとかないで、そのまま指で描いてみよう」
「あれ? あかときいろで、オレンジになったよ」
赤、青、黄色の三色でいろんな水玉ができました。
「できたよ」
「おっ、いいね~!」
紙や水や、ほんの少しの色があるだけで、いろんな楽しみ方があることがわかりました。
途中、ぽつぽつ雨が落ちる時間もありましたが、あっという間の2時間でした。
ご参加のみなさん、今田さん、ありがとうございました。