「善三先生の先生たち」展

9月12日(金)から、「熊本近代美術グラフィティ 善三先生の先生たち」展がはじまりました。

以下、展示目録より===============
 「熊本近代美術グラフィティ」とは、熊本県内5つの公立美術館の合同企画展第2弾として企画された、5館による5つの展覧会からなる展覧会で、熊本の近代美術の全体像をあらためて示そうという試みです。
 当館では、熊本の近代美術を担った一人である坂本善三自身が、どのような影響を受けながら画家として成長していったのかをたどることによって、熊本の近代美術への功績を考えてみたいと思います。
 坂本善三は、1929年に美術学校へ進むために上京後、1945年に帰熊するまでのあいだ、独立美術協会会員を中心としたさまざまな画家たちと出会います。
 まずは、帝国美術学校の学生だった頃から知遇を得ることになった三岸好太郎。三岸の幻想的で詩的な世界は若い善三を強くとらえ、その影響を大きく受けた物語性のある作品を次々に描きます。
 その後、川口軌外、林武、鳥海青児など、当時独立美術協会の中心的存在であった画家たちに師事するようになります。その頃の善三は、まるで自分に課題を課すかのように地道に制作に取り組んでいて、当時を振り返った文章からも、「絵を勉強する」という意識がありありと伝わってきます。師の影響を強く受けた当時の作品を見ると、先生たちから何を学ぼうとしていたのか、善三が追求しようとしていたのはどういう絵画だったのか、見えてくるのではないでしょうか。
 本展では、東京時代に師事した名だたる画家たちはもとより、上京以前の師である旧制大津中学校時代の美術教師徳田十太郎や、初めてデッサンの手ほどきを受けた画家村上狂二など、善三の画業の萌芽までさかのぼって、出会った画家たちとその影響をたどります。坂本善三とその師たちの作品を共に展示し、坂本善三が先生たちにどのような影響を受けながら画家として成長していったのか、ご覧いただきたいと思います。
 
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善三が東京時代に師事した名だたる画家や、熊本の学生時代の美術教師の作品とともに、作品を展示しています。

〝先生たち〟の作品は、背景をグレイにしています。

11月24日(月・祝)までです。
多くの方のご来館をお待ちしています。

いちスタッフよりひとこと。
今回の展覧会は、善三の若い時代の作品が多く展示されています。久しぶりに〝蔵出し〟された作品も何点もあります。
また他館からお借りした〝善三先生の先生たち〟の作品と並ぶことで、展示室の雰囲気がいつもと少し違って、新鮮に感じられます。
毎回展示を替えるたびに改めていいなあと思いますが、今回の空間も、とても素敵です。
 

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